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ジブリ作品を斯く語りき vol.3
こんにちは。都タクシーのノロです。
私は、幼少のころから変わった子供だと言われ続けてきました。
それを表しているのが学校のテストで、テスト問題に対しおかしな答えをし、
それの先生の採点になっとくがいかず、質問にいくというようなことが何度もありました。
本人はいたって大真面目なのですが、教師にとってそれは「ふざけている」と思われたらしく
母親も何度も学校から注意をされたようです。
特に、国語に関するテストがひどく、
長文読解問題などは、
「ここの作者の心情をこたえよ」
という問題に対し、
「心情は全部」とか「作者じゃないからわからない」と答えたことがありました。
私は、この考えが間違っているとは未だにおもっておりません。
と、言うのもとある有名な作家さんが、こういったことを仰ったからです。
中学校の教科書に、自分の作品が載り、教師が「この作品を書いた時の作者の心境を記せ」と宿題を課した。
下の娘が、「これどう書けばいい?」
教科書を開いて、ぼくに訊ねた。
「それはつまり、締切りに追われて、後先の考えなく、ワーッと書いたんだけどね」
これは、「火垂るの墓」の作者、野坂昭如さんが語った有名なエピソードです。
「火垂るの墓」は、1967年に発表された野坂昭如さんの短編小説ですが、
その後、1988年に、スタジオジブリにてアニメ映画化されます。
監督は、宮崎駿監督と双璧をなす、高畑勲さんです。
いまではあまり知られていない話ですが、この「火垂るの墓」は、「となりのトトロ」と同時上映されたものです。
みなさん、ご存知と思いますが、「火垂るの墓」は戦時中の幼い兄弟を描いた、とてもつらく、悲しい作品です。
「となりのトトロ」とは、相反する作風でした。
スタジオジブリとしては、同時上映で二作品公開という形はなれておらず、
人員のやりくりが大変だったという話です。
そのとき、宮崎、高畑両監督のあいだで取り合いになったのが、
前回のジブリブログでお話した、「耳をすませば」の監督、近藤喜文さんでした。
高畑監督は「他は何もいらないから近ちゃんだけ欲しい」と言い、
宮崎監督は「近ちゃんが入ってくれないなら僕も降板する」と言ったという逸話が残っているそうです。
このふたりにそこまで言わせるのだから、近藤さんと言う方はとてもすごいかただったとうことです。
近藤喜文さんについては、過去のブログでも触れていますので、そちらも参考にしてください。
さて、この「火垂るの墓」は、作家の野坂昭如さんの戦争体験をもとにした作品で、
野坂昭如さんが神戸にすんでいたところから、アニメ作品でも登場人物はすべて
関西弁をしゃべります。
そのことから、この作品ではプロの声優はほとんど使われず、
関西出身の俳優が多くその声優を務められています。
高畑監督は、徹底的にリアル志向であることがうかがい知れますね。
いま、世界では、ロシアとウクライナの戦争で
毎日くらいニュースが届きますが、火垂るの墓を見れば、もう二度と戦争は起こしてほしくないし
起きてほしくないなと思います。
改めて、今見るべきジブリ作品ではないでしょうか?